○研究目的
文献上に初めて「飴」が現れたのは、日本書紀の神武紀。そこに「神武天皇が水無しで飴を作った」という記述があり、その製法の再現を目指す。
神武天皇は当時、敗戦後の巻きかえしを目指しており、兵士の士気を高めるため、「奇跡」を起こしてみせる必要があった。普通に飴を作るのでは奇跡にならないため、通常ではない方法、すなわち水無しで飴を作った。
飴を作る際に用いられた器具は平瓮(ひらたいかわらけ)、原料は米と考えられる。通常、米から飴を作る際には、以下のポイントで水が必要になる。
・米を粥状にする(液化)
・コウジカビを育て、アミラーゼを作らせる
・アミラーゼを酵素として働かせる
・米のデンプンをアミラーゼで加水分解して糖にする(糖化)
水を加えずに以上を行うことが最大の問題点。
これをクリアし、水無しでの飴製造という「奇跡」を再現することが研究目的。
○研究計画
大阪大学工学研究科教員のアドバイスの元に研究を計画。まず、アミラーゼを用いてどのような性状のものができるかを確認し、その後、アミラーゼを米麹に置き換え、時間をかけて糖化する方法を探る。
アミラーゼを用いた実験の方法としては、できるだけ水分が多い米に、市販の耐熱性アミラーゼの粉末を薄くまぶし、最も糖化が進むと考えられる条件である100%近い湿度で60~70度に保つ。
近日中に、上記の耐熱性アミラーゼを用いた実験を行います。そのため、まずは実験の手続きがわかる人、特に生物学系のメンバーを急募します。
・当時の状況を把握するための日本史学・考古学
・日本書紀の原典など、古文書に正確に当たるための古文学
・正確な場所を探るための地理学・地図学
・当時の気候を知るための気象学
・どの植物から米麹が採取されたかを探るための植物学
・実際に現地に赴き、現場の状況を探るためのフィールドワーク
つまり、さまざまな学問分野にまたがる研究になります。
そのため、さまざまな専門を持った、みなさん一人一人の力が必要になります。
古代の奇跡の再現という「夢」が託されました。
「奇跡の再現者」に、あなたもなりませんか?みなさんのご応募、お待ちしています。
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