2009年2月3日火曜日

THE LIVINGALL EUROPEAN CONFERENCE報告5

靴音を 鳴らせ響かせ 石畳

 私は、大阪大学サイエンスショップで、学生スタッフの参加促進およびリサーチリテラシー向上支援を担当しています。今年度の取り組みを顧みて、「短期間で印象に残る体験」が不足していると感じていました。

 今回、英国王立芸術大学院大学ヘレンハムリン・リサーチセンター/シニアリサーチフェローであるジュリア・カセム(Julia Cassim)氏が「48Hour Inclusive Design Challenge」についてご発表なされました。障害者、デザイナー、学生がグループを作り、街の中にあるバリアを見つけ出します。そして、その解決に向け、新しいデザインを生み出すというグループワークです。驚きなのは、それを48時間で行うということです。京都や東京など、日本国内でも実施した経験もお持ちで、大変興味深く感じました。

 科学技術と社会に関する問題の発見、その解決に向けて各人の専門性を活用すること、グループワーク体験とその中での気づきなど、サイエンスショップで目指す教育効果が含まれています。さらにその成果が広く社会に役立つという意味で、サイエンスショップの社会的意義とも合致しています。48時間という時間制限も、ドキドキを生み出し絶妙です。

 今回の会議は、参加者60名程度の小規模なものでした。そのおかげで、こうした優れた実践をなさっている先生と、直接話をする機会に恵まれました。嬉しい出会いです。実施に関わる問題はありますが、ぜひ試してみたいと思いを深くしました。

(参考URL)http://www-edc.eng.cam.ac.uk/noticeboard/493fb41749f0