2008年10月3日金曜日

【お知らせ】大阪大学サイエンスショップ 短期研究調査プロジェクト 中間発表会

大阪大学サイエンスショップ
短期研究調査プロジェクト(Short Term Research)中間発表会
 http://cscd.osaka-u.ac.jp/activity/view/227

 大阪大学サイエンスショップでは、ただいま、短期研究調査を実施しています。

 短期研究調査は、身近な疑問を様々な角度から掘り下げ、研究調査を行い、調べる能力(リサーチリテラシー)を身につけるだけでなく、調べる楽しさを味わい尽くすプロジェクトです。

現在、3つのチームがそれぞれの問いに挑戦しています。

1。地球温暖化が進む中、
   花見(桜)はいつまで、できるのか? (チーム桜)

2。3秒ルールの真実を探れ!  ( Team 3 sec)

3。夢のメカニズムを解明せよ!    (Dream Team)

 中間発表会では、各チームが問いへのアプローチと進捗状況を報告します。
 3チームそれぞれの健闘っぷりをお楽しみください。


*短期研究調査については、↓↓↓
  http://handai.scienceshop.jp/projects/


日時:2008年1 0 月0 7 日(火) 18:30〜20:30

場所:大阪大学 21世紀懐徳堂(豊中キャンパス イ号館)
(http://21c-kaitokudo.osaka-u.ac.jp/)

主催:大阪大学サイエンスショップ
     (http://handai.scienceshop.jp/)

お問い合わせ先:
メール scienceshop@cscd.osaka-u.ac.jp

どなたでも参加いただけ、参加費は無料です。
   当日、直接会場におこしください。


※PDF版チラシ
 http://cscd.osaka-u.ac.jp/files/9e7eada16ce1bd1c11addae8b870587a.pdf

2008年8月13日水曜日

DeCoCiSチャンネル

 YouTubeでDeCoCiSチャンネル(http://jp.youtube.com/DeCoCiS)を設定しました。
 こちらで、研究の進捗状況や成果発表などを流していきたいと思いますのでよろしくお願いします。

 それと、サイエンスショップの教育プログラム開発の一環として行っているショートターム・リサーチについて進捗状況報告用のブログを設定しました。
 楽しみながら、同時に視野を広げ、調査スキルを身につけるための「ショートタームリサーチ」(目指すは『探偵! ナイトスクープ』)がどのように展開されていくか、随時ご報告していきます。

2008年7月12日土曜日

手法開発ワークショップ。ようやく第1回開催!

うまくいくかな〜というドキドキと、
どんな風になるんだろう、楽しみ〜というワクワクが、
入り交じった気持ちで当日朝を迎えました。

まずは、バースデイリングを使った自己紹介。
身振り手振りでコミュニケーションをとるうちに、
少しずつ緊張もほぐれてきます。
(バースデイリングを使った自己紹介は、参加者にも好評でした!)








そして、本日のメインイベント、グループディスカッション。
だんだん議論が盛り上がってくると・・・皆さん、総立ち。








最後は、グループ毎に自分達の論点を発表して修了。








あっという間の2時間でした。

「久しぶりに、子供のことを忘れて集中できて、きもちよかった!」
「子供以外のことで、ママ同士真剣に議論ができて楽しかった!」
「楽しくてあっという間に時間が過ぎた!」
など、主催者としては嬉しい意見を頂戴することができて、ホッとしています。

とはいえ、やり方としては、まだまだ改善すべきところもあるなぁと感じています。
今後の活動を楽しみにしていて下さい。

2008年6月24日火曜日

第5回科学技術コミュニケーション デザイン・ワークショップ

 本ブログをご贔屓にして頂き、ありがとうございます。


 はじめまして、山内(やまのうち)と申します。
 6月1日より、大阪大学に異動してまいりました。サイエンスショップに関わる実践・研究を担当したします。よろしくお願いします。

 さて、6月14日(土)・15日(日)に、北海道大学「遠友学舎」で、第5回科学技術コミュニケーション デザイン・ワークショップが開催されました。今回は、ワークショップに参加して感じた、悩ましい3つの疑問を報告いたします。

1.協働を成功させる条件とは?
 「市民を集めただけでは『対話』は成立しない」(北海道大学・吉田さん)との指摘には、とても納得がいきました。現在、対話や協働という言葉が、流行語のように使われています。しかし心理学の研究が明らかにしてきた限りにおいては、協働が“成功”(←何を成功とするのかは難しすぎるので、今回は勘弁して下さい)するのは、それほど一般的な現象ではなく、限られた条件(例:参加者間の関係性、課題の構造)の下で実現するといわれています。「3人寄って文殊の知恵を超える」か、「船頭多くして、船、山に登る(←これはこれで凄い!)」かは、一概には言えないのです。どういった目的の科学コミュニケーションが、どういった条件下で成功しやすいのか?「現場での実践」と「基礎的な実験や調査」を両輪にして、明らかにしたいと考えています。

2.事例を比較するために、どのような枠組みが必要か?
 ワークショップで問われた「『科学技術』に関する市民参加の特殊性とは何か」は、考えれば考えるほど複雑な問いです。これに答えるには、何らかの枠組みを用いて事例を並べ、比較する必要があります。2日目のグループワークの課題は「市民参加が必要なテーマを挙げて分類し、それぞれ、どのような市民参加手法が有効なのかを考える」という、まさにその枠組みを考える課題でした。そこで気づいたことは、「遺伝子組み換え食品」「原子力発電」「年金問題」といった対象ベースで考えていては、分類できないということです。むしろ、問題の対象よりも、扱う問題の構造(初期状態・解決手段・目標状態・制約)の方が、市民参加のスタイルを決める重要な要因のように感じられました。そこで難しいのは、参加する市民側なのか、実施者側なのかによって、問題構造に関する認識が大きく異なることです。それぞれが、どういう問題として認識しているのかを明らかにし、そのギャップを議論が可能な程度まで埋めるには、どのような論理や知識が求められるのか。悩みは尽きません。

3.持続するために、どのようなシステムが必要か?
 実践発表の中で、不安の1つとして挙げられたのが「持続可能性」です。質・量ともに安定した科学コミュニケーションというサービス、それを実現するための人材(専門家・運営スタッフ)および運営資金や機材・場所を持続するコストは低くありません。さらに社会に参加型手法に対する新規ニーズを引き出すシステムも重要です。日本でも活躍している非営利団体が、どのように運営を成り立たせているのか、経営学的視点からの検討が不可欠だと感じています。阪大サイエンスショップの試みでも、「ショップを経営する」という視点が欠かせません。阪大サイエンスショップが、長く皆様に愛される店になるように、経営努力にも努めたいと思います。そこで培った「科学コミュニケーションというサービス」のマーケティング手法を、苦労や失敗も含めて広く伝え、役立てて頂ければ幸いです。

 読んで頂き、ありがとうございました。書き足らない部分がありますが、それはまた別の機会に書きたいと思います。それでは、また。

2008年6月9日月曜日

大阪大学サイエンスショップ 短期研究調査プロジェクト 学生リサーチ・スタッフ募集!


募集ガイダンスを開催!

7月からスタートする「短期研究調査プロジェクト」に参加してくださる学生リサーチスタッフを募集します。学部生・院生、専門を問わず誰でも参加できます!ガイダンスの日程は以下のとおりです。ガイダンスに出席できない方は、「連絡先」までご連絡のうえ、個別に相談してください。

■ ガイダンスの日程

日時: 6月23日(月)・26日(木) 18:30~

会場: CSCDオレンジショップ(豊中キャンパス 基礎工J棟1階)http://www.es.osaka-u.ac.jp/access/index.html
     
内容: 
 ・ サイエンスショップについての説明
 ・ 短期研究調査の実施についての説明
 ・ ミニワークショップ

連絡先:  scienceshop[ at ]cscd.osaka-u.ac.jp ([ at ]を@に変えてください)

■ 「短期研究調査プロジェクト」とは?

「短期研究調査プロジェクト」は、1~2ヶ月程度で解決できるような比較的簡単な課題に取り組むものです。簡単とは言っても、扱い方によっては、いろいろ深く・広く研究することもできます。また、単に研究・調査するだけでなく、結果の公表の仕方も、映像などマルチメディアを使ったり、研究・調査のプロセスでも、たとえば取材やインタヴューに行ったときの様子を写真やビデオで記録し、ブログなどで随時報告していくなど、さまざまな工夫ができます。

スタートの段階で扱う課題は、これまで大阪大学サイエンスショップで集めたものや、参加する学生の皆さん自身が考えるものとなりますが、やがては学外から一般募集する予定です。

■ そのほかのサイエンスショップの活動(今後の予定)

サイエンスショップには、ほかにも様々な活動があります。

(1) 中長期研究調査プロジェクト

半年~1年以上かけてじっくり取り組むプロジェクトです。現在は、試行的にパイロットプロジェクトを実施および計画中です。(学外からの課題の受付はまだしていません。)

(2) 研究調査以外の活動

会議やワークショップの企画・開催の支援
教材や資料の制作 (教育関係者やNPOとの協働)
メディア支援 (NPOなどのHPや広報資料のデザイン、マルチメディア支援、翻訳など)
(3) 基盤調査 1: 大阪大学の研究リソースの調査 ~ 社会に貢献する研究を探そう!

地域社会や市民に貢献する可能性のある大阪大学の研究テーマを、研究室取材などを通じて探ります。データベースの構築などを通じて、大阪大学と地域社会とのよりよい橋渡しができるようにします。

(4) 基盤調査 2 : 地域社会の研究ニーズ調査

地域社会には、どのような解決すべき問題があるのか、解決に向けて大学が貢献できる課題は何かを、大阪大学の学生とともに探ります。京阪神を中心とした地域で活動されているNPO/NGOのみなさんに対するアンケート調査やヒアリング調査など、現在、計画中です。

2008年4月11日金曜日

3月11日(火)RISTEXシンポジウムの感想

阪大の中川です。

散歩をしたくなるような春の陽気にもかかわらず、シンポジウムは立ち見が出る程の盛況ぶりでした。

 個人的に面白かったのは、第2部のパネルディスカッションでの北大の吉田さんの話の中に、「社会リテラシー」という言葉が使われていたことです。吉田さんは北海道でGMOに関する様々な会議に関わってこられた方で、その経験を多く語ってくださいました。その話の中で、「専門家の社会リテラシーと非専門家の科学リテラシーはペアで向上していった。」という内容のことを話されていました。

 この場合「社会リテラシー」は「非専門家が言うことを聞き、考えていることを読みとり、話し合おうとする態度をとれ、話し合える能力」ということになるのでしょう。人とディスカッションをすることが多いはずの研究者の社会リテラシーが低いというのは、おかしな話だと思いました。他人とのディスカッションの中で、相手の意見に耳を傾けることで、新しいアイディアが生まれるという経験をしているだろうからです。何にこだわって、専門家(研究者も含む)は壁を作るのだろうと思いました。吉田さんによれば、自分の意見が変わってしまう、そんな「変化が恐い」のだそうです。それは非専門家も同じようですが。

 吉田さんは、経験から「専門家が歩みよると、市民が歩みよる。でもその逆はみられなかった。」ともおっしゃっていました。歩みよりのキーは専門家が持っているようです。両者を隔てる壁が「恐さ」のせいであるならば、壊せるのは作ったご本人しかいないはずです。専門家の方々には是非とも壊して頂きたいなと思う次第です。以上、ちょっとした感想でした。

2008年3月14日金曜日

AAAS年次総会(ボストン)報告

阪大の春日です。
 アメリカでの科学技術コミュニケーションに関する議論を調べるために、ボストンで行われたAAASの年次総会に行ってきました。
 参加レポートをNPO法人サイエンス・コミュニケーションメルマガに掲載しました。
 下に転載しますのでご覧ください。
 また、私個人のブログでも私的な感想を掲載しています(その2その3)。


2008年AAAS総会「グローバルな視点からの科学と技術」報告:
準国家機関としてのAAAS、あるいは、なぜアメリカでは科学者が社会のために努力するのか? 

 2008年2月14日から18日という日程で、ボストンにおいてAAAS(全米科学振興協会:http://www.aaas.org/)の年次総会が開催された。このメルマガの読者であればすでにご存じの通り、AAASは1848年に設立された非営利団体で、「すべての人々の利益のための、世界中の科学、技術、イノベーションの振興」をミッションとしている。総計一千万人以上にのぼる構成員を抱える262団体がメンバーである。また、一般には世界のトップ・ジャーナルとして知られる「サイエンス」誌の発行元として知られている。

 今回、機会があってAAASの年次総会に参加したのでここにご報告する。

*年次総会ウェブサイト
http://www.aaas.org/meetings/

 アメリカ政界にはプロのロビイストが多数活躍しており、クライアントの要望を国政に反映させるべく日々活躍している。これは科学者も例外ではなく、AAASの重要な活動の一つに、若手の自然科学者に資金を提供して政策フェローとしてワシントンの各種組織に送り込むことなどがある。これは、政権が変わると科学技術政策なども激変するアメリカの事情を反映している。例えば現在のブッシュ政権下では、国防関連の研究開発が延びる一方で、その他の研究開発費用は減額されてきている。また、幹細胞など生命科学系の研究は制約される傾向にある。また、気候変動問題については、大規模な取り組みを行うことがアピールされているにもかかわらず、現実の研究費は延びていないという不満も聞かれた。こういった問題について科学者や関係機関が相互に情報交換し、ロビイングにつなげていくのがAAASの大きな目標の一つである。

 その一方で、会場ではニコラス・ネグロポンティなど著名な科学者の講演、150を超える数のシンポジウムやワークショップ、キャリアセミナーや各学協会の会合、そして一般向けや、特に子ども向けのイベント(あるいは子ども達による)発表など、無数のイベントが行われている。シンポジウムではありとあらゆる科学的なトピックが扱われるが、今年度のテーマが「グローバルな視点からの科学と技術」だったせいもあり、気候変動を初めとする環境問題、貧困や第三世界の社会問題(特にアフリカとHIV)に関係するシンポジウムが多数開催されて、熱心な討議が行われていた。

 AAAS会長デヴィッド・バルティモア(生物学 カリフォルニア工科大)の基調講演でも、第三世界の人々の生活は向上されなければならないこと、しかしそれが過度に環境負荷の高い方法で行われないようにしなければならないことが述べられ、そのために会長自身がインド(環境負荷の高い成長の事例と言うことであろう)とルワンダを訪問し、意見交換を行ったことが説明された。その後、ルワンダ大統領自身が登壇し、研究開発への期待も説明された。

 他にもAAASはクウェートとの「アラブの女性リーダー」に関する会議や中国政府との「科学倫理」に関する会合、イノベーション政策に関するヴェトナムとの会合、科学と社会に関する欧州委員会との会合を行うなど、積極的な国際交流を行っている。評議会での報告では、これらの交流について、AAASのカウンターパートになるのはほとんどの場合各国の「科学省」に相当する機関であり、「科学省」を持たないアメリカでAAASが疑似省庁(Quasi-ministry)の役割を果たしているという状況が指摘されていた。

 NGOであると同時に疑似省庁であるAAASというのは、ある意味で、非常に自信に満ちた見解であり、アメリカの科学者達が目指しているものや置かれている状況をよく表しているだろう。これを反映して、評議会では人権問題にも多くの時間が費やされた。科学技術の倫理的な側面や、各国の科学者がおかれている状況について、これまで多くの研究が重ねられており、今後もそういった努力は続いていくだろう。ただし、ここには単純な理想主義ではなく、アメリカ社会の深刻な状況も反映している。よく知られているように、アメリカでは宗教右派が政界に大きな影響力を持っており、学問の自由に対して抑圧的であると見なされている。そこで、科学者達は常に学問の社会的意義を問い直し、それを表明していく必要性に駆られているわけである。特に、進化論は宗教右派と科学者の抗争の最前線であり、AAASでも多くの議論が交わされていた。

 一方で、人権や社会的利益を追求することの見返りが存在しているという側面も指摘出来る。例えばアフリカの問題などは今や世界最大の非営利財団であるビル&メリンダ・ゲイツ財団が積極的に支援を行っている。このため、第三世界の健康問題には大きな予算がついている。こういったことは、研究開発費が(企業による営利活動以外は)国費に限られており、研究費の分配も政府による戦略的な配分か、割り当てられた予算を科学者たちで分配する科研費に限られている日本ではあまり考えられない。日本でAAASのような試みが自発的に行われてこなかったのは、研究費の総額が天下りで決まっており、配分に関して口を出す業界メンバーはより少ない方が良い(逆に、世間をいくら巻き込んでもビル・ゲイツのような資金提供者は現れない)という事情が影響しているとは言えるだろう。

 そうしてみれば、「科学技術コミュニケーション」という面でも、アメリカでは常に科学者が科学者以外のジャーナリストや政治家、法律家、慈善事業家たちを科学のシンパにしておかなければいけないというモチベーションが働くのに対して、日本では研究費にアクセスする権利を持った小数の同業者達以外のものを議論に参加させまいという力が働くと見ることも出来るのではないだろうか? 現実問題として、AAASに参加している科学者たちが科学をアメリカの文化として根付かせようと言う活動にこれまでも極めて熱心だったのに対して、日本の科学者達は極めて閉鎖的であるという非難を受け続けてきた。残念ながら、ノンアカデミック・キャリアを選ぼうとした瞬間に、指導教官から「じゃあ博士号はいらないね」と言われたり、そこまで酷くなくても指導がいい加減になるというのはよく聞く話である。自分の分野を理解し、場合によっては博士号を持った議員、弁護士、ジャーナリストなどが活躍することが、自分の研究分野にとってどれだけエンパワーメントになるかを考えれば、そういう可能性を自分から封じてしまうのは馬鹿げているだろう。しかし、そういった機感を日本の科学者が共有するようになってきたのは、極めて最近のことである。

 社会一般(General Public)と価値を共有する努力というのは民主制の基本であるが、そういった意味では日本の大学や科学者個人はまだまだ欧米から学ぶところが大きいと言えるだろう。また、日本では「人権」というと机上の空論と見る向きが大きい。もちろん、アメリカ社会が「人権」の名の下に戦争を起こすような矛盾を抱えていることも事実だろうが、「理想」を空論として遠ざけるだけででは異なる価値観を持つ人々や社会の間でのコミュニケーションが成り立たないのも事実である。理想が完全に実現しないとしても、すこしでも理想に近づくための努力はあるはずだし、理想を追求することが自分たち自身のエンパワーメントにもつながる、という信念にも見習うべき所があるだろう。また背景に「個別の理想の可否は兎も角、個々人が理想を追求することが結果として社会を良くするのであり、その追求には一定のインセンティヴが維持されるべきだ」という哲学が存在していることも見逃すべきではないだろう。